たかが塩、されど塩
■たかが塩 されど塩
暑い季節になると、熱中症対策に飴やドリンクに塩がプラスされたものが
スーパーやコンビニに並びます。
涼しくなると、こういったものにお世話になることは少なくなりますが、
これからの季節、塩分に無頓着で良いかと言うと、答えはNO!
■生命維持に大切な塩分
生命を維持するために塩は欠かせません。
また料理でも重要な役割をします。
○身体での塩の主な役割
・細胞内外のバランスをコントロールする
・筋肉や神経の働きをサポートする
・消化液の成分となる
特に暑さやスポーツ、力仕事で発汗量が増えたときや、
下痢をしたときはナトリウムが体外に排出されて不足しがちなので、
熱中症や脱水症状を防ぐためにはスポーツドリンクで
ナトリウムを補給すると良いでしょう。
水などで薄めると吸収されやすい濃度になります。
○調理上の塩の役割
・味を引き締める
・甘味を引き立てる(例…あんこ、塩キャラメル、すいかに塩をかける)
・食品の保存性を高める(例…漬物、塩辛)
・食品の褐変を防ぐ(例…りんごを塩水につける)
■摂りすぎは注意
平成27年度より使用される「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では
ナトリウム(食塩相当量)の摂取基準を
18歳以上男性8.0g未満/日、女性7.0g未満/日と定められています。
しかし実際の塩分摂取量は平均10.4g/日(平成24年国民健康栄養調査より)と
基準を超えているのが現状です。
普段の食卓で、たくさんのおかずが並んでいませんか?
バイキングのお食事を想像していただくとわかるとおり、
味付けが変わると、ついつい食べ過ぎてしまい、
自然と塩分も多く摂取しているのです。
食卓に、醤油、ソースが並んでいるご家庭や
味がしっかり付 いているものに、醤油やソースをかけている、
という方も要注意!
もちろん、外食や加工食品・お菓子に含まれる塩分も侮れません。
塩分の摂りすぎは高血圧、胃がんなどの疾病や、
身体のむくみに繋がってしまいます。
お酒を飲みすぎた翌日の顔のむくみの原因は、水分というよりも、
塩分の多いおつまみの摂りすぎが原因かもしれません。
また野菜や果物に多く含まれるカリウムの不足も考えられます。
■塩と上手に付き合う
摂りすぎも不足も良くない塩。
塩分と付き合うための簡単な方法を3つご紹介します。
・塩にこだわる
スーパーに行くと、
製法や産地の異なる色々な塩が並んでいます。
含まれるミネラルや粒の大きさの違いなどによる
風味の違いがあります。
良い塩であればあるほど、ミネラルバランスが良く、
少量で味が決まり、減塩につながります。
※塩の成分…化学的には塩化ナトリウムであるが、多少の不純物を含んでいる。
不純物は塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウムなど。
・主食もおかずも食べる
主食を減らしてしまうと、
おかずの割合が増えやすく、
それだけ塩分の量も増えてしまいます。
・汁物は野菜や海藻で具だくさんにする
たくさんの野菜や海藻を具にすることで、
同じ汁椀一杯の味噌汁でも、
汁の量が少なくなるため、
自然と塩分摂取量も少なくなります。
また具を多くすることでカリウムの摂取量が増えるため、
過剰なナトリウムが排泄されます。
ビタミン類や食物繊維も一緒に摂ることができます。
弊社では、美味しく安心して頂ける食生活をサポートできるように、
生産者さんの思いが詰まった食材をご紹介いたします。
「外食やコンビニのお惣菜はどういったものを選んだらいいの?」というような
お一人お一人にあった食生活のご提案もしております。
ご興味のある方はプチレッスンやカウンセリングへ。
お気軽にお問い合わせくださいませ。。
担当:Mari
≪参考文献≫
平成24年度 国民健康栄養調査 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h24-houkoku.html (2014/8/24)
梅沢昌太郎、長尾誠一 「食商品学入門」 日本フードスペシャリスト協会 (2003)
服部幸應 「心と身体を強くする 食育力」 株式会社マガジンハウス発行 (2014)
「総合食品辞典 第六版」 同文書院 (1999)