麹が持つ健康パワー
先日、あるご縁で秋田にある「羽場こうじ」さんで、麹を作る様子を見学させていただきました。
初めて見る麹の花や、出来たての麹の味にとても感動し麹について調べてみました。
麹とは、蒸した雑穀(米、麦、大豆など)に麹菌を繁殖させたものです。
麹菌はカビの一種で、
日本の調味料に多く用いられる
ニホンコウジカビ
(学名はアスペルギルス・オリゼー)は、
日本酒、味噌、醤油、
酢、みりん、塩麹、甘酒を作るのに
欠かせないものです。
麹菌には、
出来上がった状態のままで軟らかく芯がない生麹と
出来上がった状態から水分を飛ばして乾燥させた乾燥麹
があります。
原料によって種類が変わる麹
●米麹
米に麹菌を繁殖させたもので、
甘みが強くクセがないので初めての人におススメの麹。
●玄米麹
玄米に麹菌を繁殖させたもので、
米麹より甘味が少なく独自のコクやうま味、香りがある麹。
●麦麹
大麦・裸麦などに麹菌を繁殖させたもので、
発酵してからも麦の粒が残り独特の風味を楽しめる麹。
さらに、麹にはブドウ糖やビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養素が豊富で
様々な効果が期待できることもわかってきました。
ここではいくつかの健康効果についてご紹介します。
①美肌効果
美肌成分の一つであるコウジ酸が抗酸化作用を持っており、
メラニンの生成を抑え、シミやくすみなどを防ぎます。
②脂肪燃焼効果
脂肪燃焼させる必須アミノ酸やビタミンB群を多く含み、
肥満の予防や改善につながったり、疲労回復効果があります。
③免疫力アップやストレス軽減
アミノ酸や糖質の効果的な摂取により、
免疫力がアップしたり、GABAの神経鎮静作用により、ストレス軽減に効果があります。
④腸内環境改善
麹に含まれる食物繊維や乳酸菌により腸内環境が整い便秘解消につながります。
⑤旨み成分アップ
麹菌が穀類や豆類に菌糸を伸ばす時に100種類以上の酵素を出し、
味噌や醤油のうま味や甘味の元となります。
麹は活性化した酵素そのものともいえ、
食材にしみ込みうま味を引き出したり、
その後の発酵がスムーズに行われるようにする働きをします。
酵素の働き
麹には健康効果がある酵素が含まれています。
●プロテアーゼ
タンパク質を分解しアミノ酸を作るので、お肉などをつけると軟らかくなります。
●アミラーゼ
でんぷんを分解しブドウ糖を作るので、お漬物に使うと野菜の甘みが増します。
代表的な漬物は、東京のべったら漬けや東北の三五八漬けなどがあります。
●リパーゼ
脂肪を分解し、血液をサラサラにする効果があります。
麹は、長い歴史の中で受け継がれてきた
数少ない安全な食品を生み出した微生物で、
私たちの食生活を支えてきました。
麹の消化酵素により代謝を促進し、
解毒作用を高める味噌汁は
日本古来の健康法かもしれませんね。
身体の調子を整える
旬の野菜、キノコ類、海藻類などを入れた朝1杯の味噌汁で、
麹の健康効果を手軽に取り入れてみませんか?
弊社では、おひとりおひとりの目的やライフスタイルに合わせた
食生活サポートの提案も行っております。
まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。
担当:若林 ゆかり
≪参考文献≫
伏木暢顕 「塩麹と甘酒で作る調味料」 日本文芸社 (2012)
おのみさ 「毎日が楽しくなる塩麹のおかず」 池田書店 (2011)
高橋香葉 「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹」 幻冬舎 (2012)
タカコ・ナカムラ 「塩麹と甘酒のおいしいレシピ」 農山漁村文化協会 (2011)
≪若林ゆかりによるコラム≫