美肌は一日にしてならず~三大栄養素編~
大寒を迎え、まだまだ厳しい寒さが続きそうですが、
みなさん風邪やインフルエンザなど大丈夫でしょうか?
冬は空気が乾燥しがちなので、体調を崩しやすいだけでなく、
お肌の調子も不安定になりがちです。
前回、美肌のための食生活についてお話しいたしました。
今回は肌作りにおける栄養素の役割のなかでも、
お肌の構成成分となる三大栄養素 を中心にお話ししたいと思います。
●お肌の材料になるタンパク質
タンパク質は、細胞、筋肉、血液、ホルモン、髪の基本材料です。
とくに美肌に繋がる表情筋、天然保湿因子、
ハリと弾力を支えるコラーゲン、
エラスチンなどの原料になります。
人間のタンパク質は、
約20種類のアミノ酸が複雑に組み合わさって
構成されています。
そのうち9種類は人間の体内で作り出せないため、
食事からしか摂ることができません。
それらのアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼びます。
必須アミノ酸が不足すると、たんぱく質がうまく構成されないため、
表情筋が低下し、たるみ、乾燥、ハリや弾力の原因になります。
必須アミノ酸は肉、魚、大豆製品、乳製品にバランスよく含まれます。
パンや麺類だけで食事を済ませてしまうと、必須アミノ酸が不足してしまいます。
例えば具材は必須アミノ酸が豊富な食材を選んだり、
一品追加したりするなどして、毎食たんぱく質を摂取するようにしましょう。
●うるおい、艶に欠かせない脂質
肌の水分を保つ成分セラミドは
体内で作ることができない「必須脂肪酸」が原料です。
うるおいのもとは水分で、
それをキープするのが脂質です。
セラミドは細胞間脂質で、
肌の表面にある角質細胞の隙間を埋めて、
外からの刺激が入り込まないように
バリア機能を保っています。
必須脂肪酸が不足必須脂肪酸が不足して
細胞間脂質が減ってしまうと、
バリア機能が低下し乾燥しやすく、
さらに乾燥が原因でシワやくすみ、
吹き出物が出来やすくなってしまいます。
また極端な脂質制限で体脂肪を落としすぎてしまうと、
ホルモンバランスが乱れやすいうえ、
ホルモンの材料となるコレステロールも不足してしまいます。
ホルモンバランスの乱れでもシミや吹き出物が出来やすくなります。
ホルモンバランスを保つこともが肌の水分量やハリを増やすことに繋がります。
脂質は抗酸化作用のある脂溶性ビタミンの吸収を促す働きもあるため、
質と量を選んで摂取することが大切です。
●腸内環境を整える炭水化物
炭水化物はエネルギー源となる「糖質」と
腸内環境を整えるために大切な「食物繊維」の総称です。
腸内環境が悪化し便秘になると、
有害菌が増え、有毒ガスや活性酸素が発生してしまいます。
これらは血液によって全身に運ばれてしまいます。
腸内環境を整えることで、
栄養素が吸収されやすくなります。
また腸内環境を良くする働きがある
発酵食品(味噌、麹、納豆、キムチなど)は、
炭水化物である米との相性が良いため、
一緒に摂って腸内環境を整えましょう。
さらに雑穀を取り入れると、
食物繊維の量が増えるだけでなく、
ビタミン・ミネラルも一緒に摂ることができます。
エネルギー源である炭水化物が十分摂られていないと、
たんぱく質・脂質がエネルギー源に使われてしまい、
肌の材料は不足してしまいます。
たんぱく質や脂質のように
直接肌の構成成分として存在しているわけではありませんが 、
肌作りには欠かせません。
今回、三大栄養素に絞ってお話いたしました。
「具体的にどれくらい摂ったらいいの?」
「どんなものを摂ったらいいの?」
など、お一人お一人に合わせたご提案をしております。
ダイエット以外にも美容についてなど、
気になることは何でもご相談くださいませ。
担当:Mari
<参考文献>
美人になる食べ方 山本未奈子 幻冬舎 2011年
「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣 小林弘幸 幻冬舎 2012年
いちばんわかるスキンケアの教科書 高瀬聡子 細川モモ 講談社 2014年
<Mari管理栄養士 執筆コラム>