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しょうゆの魅力と健康効果

和食がユネスコ世界文化遺産に登録され、日本食が世界から注目されています。
今回は、日本の食文化を代表する醸造調味料である「しょうゆ」に着目してみました。
 
しょうゆのルーツ
しょうゆのルーツは、古代中国から伝わる「醤(ジャン)」で、
原料を塩漬けにしたことが始まりと言われています。
 
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日本は海や川の恵みが豊かなので、
魚介類を発酵させる
「魚醤(うおびしお)」が盛んに作られていました。
 
他には、果実・野菜・海藻などを発酵させる
「草醤(くさびしお)」
鶏や獣の肉を発酵させる「肉醤(にくびしお)」
米や麦、大豆などを発酵させる「穀醤(こくびしお)」があります。
 
穀醤は味噌としょうゆの中間のようなもので、
液体だけをこしとったものがしょうゆの始まりと言われています。
 
しょうゆの種類
しょうゆは、本醸造方式、混合醸造方式、混合方式の3方式で作られ、
約80%が日本古来の伝統製法の本醸造方式で作られています。
 
しょうゆは、地域住人の好みや気候風土によって
作り方、色、味などに特徴があります。
JAS法によると、しょうゆは5種類に分けられています。
 
・濃口しょうゆ
 全国各地で作られ、もっとも一般的なしょうゆ。
 透明感のある赤橙色で、大豆と小麦をほぼ同量で麹を作り食塩水で仕込みます。
 
・薄口しょうゆ
 兵庫県瀧野で生まれ、関西地方で多く使われるしょうゆ。
 色が薄く、香りが抑えてあり、大豆と小麦をほぼ同量で麹を作り、
 濃口しょうゆより濃い濃度の食塩水で仕込みます。
 
・たまりしょうゆ
 東海地方で作られ豆味噌を作っている過程で生まれ、
 色が濃くとろみがあり、独特な香りのするしょうゆ。
 大豆の割合が多く味噌玉を作り、食塩水で仕込みます。
 
・再仕込みしょうゆ
 山口県柳井地方で生まれ、色、味、香りともに濃厚で
 甘露しょうゆとも言われるしょうゆ。
 大豆と小麦ほぼ同量で麹を作り、生揚げしょうゆで仕込みます。
 
・しろしょうゆ
 愛知県碧南地方で生まれ、琥珀色で独特の味と香りを持つしょうゆ。
 小麦を精白し、大豆を炒って皮を取りのぞき麹を作り、食塩水で仕込みます。
 
しょうゆの効能
このように、大豆や小麦を主原料とし、
麹菌や乳酸菌、酵母の働きなどで作られたしょうゆには調味料としてだけではなく、
多くの生体調節機能があります。
 
・有害菌の増殖を抑える作用
 食べ物の腐敗や食中毒などの病気を引き起こす細菌類の増殖を抑える
 静菌(殺菌)作用を持っています。
 
・がんの発生を抑制する作用
 微生物の働きで出来る香りの成分のフラノン類と加熱で出来る色の成分のメラノイジンは
 体の酸化を防ぐ抗酸化作用と活性酸素を抑える作用を持っています。
 
・血圧を下げる作用
 しょうゆは、食塩の排出に作用する
 カリウム、マグネシウム、アミノ酸を豊富に含んでおり、
 タンパク質の多い魚や納豆、豆腐、肉、
 カリウム、マグネシウムの多い野菜と一緒に取ると血圧の上昇が抑えられます。
 
・動脈硬化を抑える作用
 しょうゆに含まれるポリアミンの一種である
 スペルミジン、スペルミンは動脈が固くなるのを防止する働きがあり、
 色の成分のメラノイジンはコレステロールを下げる作用があります。
 
・糖尿病の予防や改善の作用
 しょうゆの色の成分のメラノイジンは、食後の血糖値の上昇を抑える作用があります。
 
・抗白内障の作用
 しょうゆの香気成分のフラノン類は抗酸化作用があり、白内障の進行を抑える作用があります。
 
・免疫力を高め、アレルギーを抑える作用
 しょうゆの発酵で出来る成分からペクチン様多糖により、
 免疫力を高め、アレルギーを抑える作用があります。
 
私たちの食生活に欠かせないしょうゆは、おいしさだけでなく、
健康をサポートしてくれる存在なのかもしれませんね。
 
 
<参考文献>
小泉武夫「発酵食品の大研究」PHP研究所(2010.01)
久保田芳郎、宗像伸子、舘博「しょうゆの不思議」(2005.10)
しょうゆ情報センター「しょうゆを科学する」(2004.10)
 
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