“健幸”の知恵袋~お茶を知ろう~
今年の夏も真夏日が続き、暑さ対策に苦戦されたのではないでしょうか。
暑さ対策の中で重要な水分補給。
テレビやラジオでもこまめな水分補給行うことを提唱されていますが、
みなさんは何をよく召し上がりましたか?
今回は日常よく手にするお茶類の特徴をお伝えします。
茶の樹から取れる茶葉は製造工程によって、緑茶、烏龍茶、紅茶に分けられます。
製造工程の違いが風味・成分の違いを生み出します。
また産地によっても茶葉の特徴が異なります。
茶葉にはタンニンやカフェインが含まれます。
タンニン
お茶の渋み成分。鉄の吸収を妨げてしまうので、
貧血が気になる方は食事の時は麦茶などタンニンの少ないものがおすすめ。
カフェイン
お茶類以外にもコーヒー、ココア、コーラなどに含まれ、
覚醒作用、利尿作用、血液循環促進作用、代謝促進作用、胃酸分泌作用などを持つ。
緑茶
日本の代表的なお茶で、茶葉を摘んだ後、熱処理で発酵を止めます(不発酵茶)。
緑茶にはカテキン、テアニン(アミノ酸)が多く含まれており、
身体の余分な熱を取る働きがあるとも言われています。
カテキン
ポリフェノールの一種で、抗菌作用・抗酸化作用・生活習慣病予防・消臭効果など
優れた効能を持ちます。緑茶は最初に発酵を止めているため、カテキンは減少しません。
テアニン
甘みやうまみの成分で、血圧の上昇を抑制したり、脳・神経機能の調節をしたりする作用があります。
烏龍茶
茶葉の発酵を途中で止めた半発酵茶で、発酵度は種類によって幅があり、
それが香りや風味の違いに繋がります。
半発酵することでカテキン類が合体し、烏龍茶特有のポリフェノールが作られます。
抗酸化作用、抗菌作用などの他に脂肪の吸収を抑える作用も発揮します。
緑茶同様、身体の熱を冷ます働きがあるとも言われています。
紅茶
茶葉の酸化酵素の働きを最大限に活用し発酵を進めた発酵茶です。
テアフラビンという成分が抗酸化作用、抗菌作用、脂肪の吸収を抑える作用を持ちます。
特有の香りがリラックス効果をもたらし、
レモンなど風味や香りを加えて楽しむことができるのも特徴です。
身体を温める作用があると言われています。
このように、お茶の成分であるタンニンは風味を作り、
カフェインは身体へ様々な働きをしますが、
体調によっては刺激となってしまうことがあります。
タンニンが少なくカフェインが含まれない飲み物の一つに麦茶があります。
麦茶
大麦が原料でミネラルが豊富に含まれるので、
運動や入浴など発汗する前後に飲めば水分と同時に
汗で失われるミネラルも補給することが出来ます。
麦茶は鉄の吸収を妨げるタンニンの含有量が少なく、カフェインは含まれていないので、
お子様や妊娠中・授乳中の方も摂りやすい飲み物です。
普段何気なく飲んでいるお茶の効能を知って選ぶことで、
水分補給がより効果的なものになります。
これから徐々に気温が下がりますが、
寒い季節は暖房による発汗や空気の乾燥があるため、
水分補給はこれからの季節も欠かさないようにしましょう。
担当管理栄養士 : Mari
<参考文献>
決定版お茶大図鑑 主婦の友社 (2005)
高橋 弘 ドクター高橋の「ファイトケミカル」病気を治すいのちのレシピ 主婦と生活社 (2014)
ウーロン茶のポリフェノールって? サントリーホールディングス株式会社http://www.suntory.co.jp/softdrink/oolongtea/knowledge/polyphenol.html
(2015年8月19日閲覧)