月経前の不調に打ち勝つ!PMS(月経前症候群)改善献立
月経前になるとイライラが抑えられなくなり、ふとしたことで落ち込む事はありませんか?
これはPMS(月経前症候群)という女性特有の症候群で、毎月起こる人もいればストレスがかかった時など一時的に症状が出る人もいます。
今回はそのPMS(月経前症候群)に悩む女性の為の食をお話いたします。
PMS(月経前症候群)とは
月経の約1週間前から現れ、情緒不安定・むくみ・便秘になるなど心と体の様々な不快な症状のことを言います。はっきりとした原因は分かっていませんが、排卵後の女性ホルモンの急激な変化などが関係すると考えられています。
症状が強く出やすいタイミング
環境の変化などによるストレスや、睡眠不足など体力が低下している時に症状が強くなることがあります。またアルコールやコーヒーなどの嗜好品の摂り過ぎや食事バランスが崩れている場合も同様です。
PMS(月経前症候群)の改善献立
食生活の乱れは女性ホルモンの乱れに繋がり、月経トラブルの原因になります。バランスの良い食事を3食規則正しく摂る事が基本です。
管理栄養士によるPMS(月経前症候群)解消献立
主食 : 雑穀ごはん
<Point>
便秘解消やむくみなどに役立つ食物繊維やミネラル・ビタミンなどの栄養価に優れている雑穀。叶えたい効果に合わせてブレンドも可能です。
主菜 : レバーの香り揚げ
豚レバー100gを20分流水で血抜きをし、しょう油10g・胡麻油2g・酒3gに15分漬けて下味をつける。
ザルにあけ、汁気を切ったら片栗粉につけて油で揚げる。
角切りにしたパプリカ20gを胡麻油5gで炒め、
しょう油7g・砂糖3g・酒5gを加え煮詰める。揚げたレバーと絡める。
<Point>
豚レバーなど動物性食品に含まれるコレステロールは、女性ホルモンの材料になります。また月経時は貧血を起こしやすく、出産時にも鉄は欠かせない栄養素ですから鉄を多く含むレバーは女性にとって重要な食材の一つです。
副菜 : ブロッコリーと長芋のくるみサラダ
ブロッコリー50gは子房に分けて塩茹でし、長芋は短冊切りにする。
マヨネーズ6g・ヨーグルト5g・はちみつ0.5g・しょう油0.5g・くるみ10gを混ぜて、ブロッコリーと長芋と和える。
<Point>
ブロッコリーに豊富に含まれるビタミンCは鉄の吸収を助け、長芋には体を潤す作用があります。くるみの油分が腸を潤し便秘解消に効果的ですが、消化しにくいため胃腸の弱い人は食べる量に注意しましょう。
汁物 : にらと白菜とじゃが芋の味噌汁
にら10g・白菜20gはざく切り、じゃが芋20gは短冊切りにし、だし汁1カップで煮て味噌10gを加える。
<Point>
にらに豊富なビタミンB1には疲労回復に効果的なほか、免疫力を高め肌荒れ解消にも役立ちます。白菜・じゃが芋はむくみを改善するのに役立つ栄養素、カリウムを豊富に含みます。
ホルモンリズムと上手に付き合おう
体内にはさまざまな“リズム”がありますが、とくに女性の心と体は約1ヵ月の周期に分けられます。
・月経期 = ブルーな時期
・卵胞期 = 安定していて、心身ともに絶好調な時期
・排卵期 = 少しずつ不調が現れるデリケートな時期
・黄体期 = 一番不安定になり、PMSが起こりやすい時期
このリズムを知った上でスケジュールを無理なく立てられれば心身に負担なく快適に過ごすことが出来ます。まずは体の仕組みやリズムを知った上でPMS(月経前症候群)と上手く付き合っていきましょう。
担当管理栄養士 : 阿部 葵
<参考文献>
監修 喩静 植木もも子「薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帖」西東社出版(2015)
監修 吉岡有紀子「栄養の基本と食事の教科書」池田書店出版(2014)
早乙女智子「月経に伴う症状をつらく感じているなら」self doctor Vol32,16-22(2005)
対馬ルリ子「女性ホルモンを整えて快適生活を!」self doctor Vol52,13(2010)
<阿部葵執筆コラム>