管理栄養士が伝授!睡眠の質を上げる食事
環境やストレスなどが原因で、睡眠に悩んでいませんか?
□ 寝つきが悪く眠れない
□ 夜中に目が覚める
□ 睡眠時間が短い
□ 日中に集中できない
□ 朝起きるのが辛い
ひとつでも?が入った方は、要注意。睡眠の質は食事で変えることができます。
今回は、質の良い睡眠をとる為の食事についてお伝えします。
なぜ眠くなるの?
私たちの身体の眠くなる要因はおもに3つあります。
① 疲れによるもの
脳が疲れを感じると、アデノシンという物質が脳に溜まり、眠くなります。
② 概日リズム
私達の身体には、概日リズムが存在しています。そのため、日中は活発に活動し、夜になると眠気を感じる物質であるメラトニンが分泌され、眠気を感じます。
③ 体温の低下
朝体温が高まると目覚め、夜暗くなると体温が徐々に下がり、眠くなります。
夜に分泌するメラトニンは、光を感じると量が減ります。携帯やパソコン、テレビ、蛍光灯と光を感じないという事が日常生活で難しくなり、このような事が原因で、睡眠の問題を抱える人も多くなっています。
メラトニンを増やすには?
眠気を感じるメラトニンを増やすには、原料となるトリプトファンが必要です。ここで、睡眠に関係する作用について、簡単に説明します。
トリプトファン
必須アミノ酸の一種で、体内で作ることが出来ない為、食事で摂取する必要があります。
セロトニン
日中に作られ、精神を安定させる働きや、日常の活動をスムーズに働かせます。
メラトニン
副交感神経を刺激する働きがあり、体を休め、気持ちが落ち着き安定します。
トリプトファンからセロトニンとなりメラトニンへ変化していきます。
※セロトニンになる為には、ビタミンB6が必要
メラトニンを増やすには日差しを浴び、目で光を感じる事が大切です。光を感じ15時間後に眠気を感じます。例えば、7時に起きるとすると22時に眠気を誘います。そのため、朝食にトリプトファンを摂取すると、日中セロトニンから、夜はメラトニンと変化し、質の高い睡眠をとる事が出来ます。
朝食を食べましょう!!
朝時間がなく、朝食を食べられない人は、10分早く起き朝食を食べる事から始めましょう。
トリプトファンは、主菜となる肉、魚、卵、大豆、乳製品にはチーズ、ヨーグルトなど多く含まれています。お勧めは、ビタミンB6が多く含まれている雑穀ご飯と合わせて、食べる事です。
納豆と雑穀ご飯など、準備に時間がかからないので、試してみて下さい。
トリプトファンだけ摂取すれば良い訳ではなく、主食・主菜・副菜・乳性品等の、栄養素のバランスが大切になります。
夕食は、眠る3時間前に食べるのが理想です。食後、胃や腸が活発に動く為、体温が上昇し睡眠を妨害します。また、21時以降の食事は脂肪の蓄積に繋がるので、腹八分目を意識して食事1品減らし朝食に回すなど、工夫してみましょう。
朝食を食べ、太陽の光を感じ、セロトニンを増やして、質の良い睡眠試してみて下さい。寝る前に照明を暗くすると快眠に効果的です。
睡眠のメリット
脳の疲れは、睡眠をとる事でしか回復ができません。良質な睡眠のメリットには、脳に情報が入ると寝ている間に整理され、記憶させます。仕事の能率や勉強、運動能力の向上に繋がります。又、睡眠不足だと食欲抑制するホルモンレプチンが減り、基礎代謝(エネルギーの消費)が低下し太りやすくなります。そして、食を増進させるホルモングレリンの分泌量が増え、肥満に繋がります。
睡眠には、たくさんのメリットが詰まっているので、多忙な時こそ、朝食を意識してみてみましょう。
担当管理栄養士 : 岩崎安希
<参考文献>
・宮崎総一郎「ぐっすり眠りたければ、朝の食事を変えなさい」PHP研究所(2015)
・健康づくりのための睡眠指針 2014,厚生労働省,
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou(2016.4.9閲覧)
・日本雑穀協会http://www.zakkoku.jp/(2016.4.9閲覧)
<岩崎安希執筆コラム>