毎日の食事作りに役立つ!管理栄養士が教えるバランスメゾット②
今回はバランスの良い献立作りに欠かせない5箇条を献立と共にお話し致します!
食事作りもラクラク!覚えておきたい「献立の立て方5箇条」
1. 食感
食材の食感の違いを活かして変化をつけるようにしましょう。シャキシャキ・プチプチ・ホクホク・トロトロ・コリコリなどがあります。そのものの食感の他、切り方や調理法でも変わります。
例えば長芋は生のまま千切りにすればシャキシャキ、煮ればホクホク、すりおろせばトロトロなど。毎日食べている白米も、雑穀を混ぜるだけでプチプチした食感などに変えることが可能です。
2. 5つの基本味
私たちが感じる味は主に甘味・酸味・塩味・苦味・うま味に分けられます。この5つの基本味がなるべく重ならないようにします。そして組み合わせることで更にバリエーションが広がります。前回の献立を例に考えてみましょう。
●主菜 「野菜の肉巻き」 : しょう油・みりん・生姜なので「甘味+塩味」
●副菜 「長芋煮」 : だし汁・しょう油・砂糖なので「うま味+塩味+甘味」
●副副 「菜の菜の花サラダ」 : 砂糖・酢なので「甘味+酸味」
●汁物 「わかたけ汁」 : だし汁・味噌なので「うま味・塩味」
3. 彩り
食材は主に白・茶・赤・黄・緑・黒に分けられます。様々な色を取り入れ彩りを良くしましょう。また、栄養素のバランスも自然と整えられるというメリットもあります。
白 : ごはん、豆腐、しらすなど
茶 : 肉、納豆、きのこなど
黄 : 卵、人参、パプリカなど
緑 : ほうれん草、ピーマン、ブロッコリーなど
黒 : わかめ、ひじき、胡麻など
食感と同様、いなきびで黄、赤米・黒米で赤や黒など、雑穀を活かして白米に変化をつけることも可能です。
※ただし赤米や黒米など消化しにくい雑穀もあるので、お子様や胃腸の弱い方は注意して使用して下さい。
4. 温度
温かい料理と冷たい料理を組み合わせると味にメリハリがつきます。
揚げ物にはサラダやキャベツの千切り、シチューなどの煮込み料理にはピクルスやサラダを添えるとバランスが良くなります。あじのたたきなど冷たい刺身には温かい煮物や煮びたしなどを加えましょう。
5. 調理法
調理法には焼く・炒める・煮る・和える・蒸す・揚げる・茹でるなどがあります。調理法が出来るだけ重ならないようにしましょう。
味の面もそうですが、特に油を使う揚げ物や炒め物を組み合わせると油の使用量が多くなり、煮物と煮物を組み合わせると塩分が多くなるということも考えられます。このことから調理法を重ならないようにすると、自然に油や塩の量を減らすことが可能です。
始めは無理せず1つずつから
今回ご紹介したポイントを考えるだけでも、献立を絞り込んで決めることが出来るようになります。5箇条に合わせて、レパートリーを紙に書いて分類してみるのもおすすめです。始めは1つずつでも良いので意識して取り入れ、ぜひ日々の食事作りに役立てて下さいね。
次回はお皿の選び方や、家族の食事量などについてお話し致します。
担当管理栄養士 : 阿部 葵
<参考文献>
・岩崎啓子「毎日の料理と献立」新星出版社(2015)
・松本仲子「1日にとりたい食品と量がわかるきほんの献立練習帳」朝日新聞出版(2014)
・中西由紀「管理栄養士による雑穀講座2016 雑穀ライフdeインナービューティー」(2016)