毎日の食事作りに役立つ!管理栄養士が教えるバランスメゾット③
献立バランスメゾットは今回が最終章です。今まで栄養素のバランスを整えるコツなどをお話してきました。今回は家族の食事作りに役立つ内容や、食事作りのマンネリから脱出するコツをお話します。
家族の食事作りに役立つ!ライフステージごとのポイント
幼児期~高齢期までの食事ポイントと適正量をお伝えします。活動量や環境、性別や体格などによっても必要量は変わるので、あくまでも目安として考えて下さい。
※全て活動量が中程度の一般的な方の場合を基本としています。
① 幼児
咀嚼力をつけるために噛みごたえのある食材を選び、刻み過ぎ・茹ですぎに注意します。5~6歳頃になると大人と同じようなものが食べられます。
・エネルギー量 : 900~1300kcal
・米 : 90g前後
・肉や魚 : 50g前後
② 小学生
身体が目覚ましく成長する時期です。身体を作るたんぱく質や骨を作るカルシウムをバランス良く摂るようにしましょう。
・エネルギー量 : 1450~2600kcal
・米 : 100g~150g
・肉や魚 : 50g~80g
③ 中高生
どのライフステージよりも栄養素が必要です。エネルギーの確保も大切ですが、血を作る鉄分・脳や神経の発達に不可欠なビタミンなどもしっかり摂りましょう。
・エネルギー量 : 2400~2850kcal
・米 : 200g~250g
・肉や魚 : 100g~120g
④ 成人男性
基礎代謝は30歳前後を境に落ち、必要とするエネルギーが徐々に減っていきます。
生活習慣病にならないためにも食物繊維の多い野菜や海藻を意識的に毎食摂るようにしましょう。
・エネルギー量 : 2650 kcal
・米 : 200g前後
・肉や魚 : 100g前後
⑤ 高齢者
必要なエネルギー量は少し減りますが、必要なたんぱく質量は成人から変わりません。骨や筋肉量を減らさず健康に暮らす為にも、たんぱく質の摂取量を落とさない事が大切です。
・エネルギー量 : 1750~2200kcal
・米 : 100g前後
・肉・魚 : 80g前後
マンネリから脱出!同じ料理で印象を変える方法
使用するお皿の色を白から黒に変えたり、大皿から一人分のお皿に盛り付けるようにするなど、色や大きさを変えるだけでも料理のイメージに違いが出ます。
前回までに使用した献立を例にします。
おかずはこのように、それぞれ小皿に盛り付けていました。
盛り付けるお皿を大きくして一枚にします。
また、肉巻きソテーは野菜を巻かずにそれぞれを炒めて乗せます。副菜の長芋は味噌汁に入れたり、すりおろしてご飯にかけても印象が変わりますね。
また気軽に四季を取り入れられる箸置きなど、季節に合ったものをいくつか揃えておくと楽しめます。小さなアイテムですが、箸置きがあるとテーブルの印象が大きく変わります。
またランチョンマットや季節のお花などをテーブルに置くだけでも、とても華やかな印象になるので、献立に悩んだ時はテーブルを飾るアイテムにも注目してみて下さい。
何よりも大切なことは「楽しむこと」
3回にわたって献立のお話をしてきましたが、何よりも大切にして頂きたいことは“みんなで食卓を囲み楽しく食べること”です。人間は唯一共食をする動物であり、誰かと楽しんで食事をすることが吸収力を高めるとも言われています。
食事は毎日、一生続くことです。食事作りが負担になりそうな時は、ぜひコラムの内容を実践してみて下さい。
皆様の日々の食事時間が、少しでも楽しくなりますように。
担当管理栄養士 : 阿部葵
<参考文献>
岩崎啓子「毎日の料理と献立」新星出版社(2015)
松本仲子「1日にとりたい食品と量がわかるきほんの献立練習帳」朝日新聞出版(2014)
監修 菱田明 佐々木敏「日本人の食事摂取基準2015年版」(2015)
監修 香川芳子 「食品成分表2013」(2013)