夏は心!夏バテ予防の食養生!
梅雨のジトジト、暑さと湿気に負けていませんか?しかし、もうすぐそこには夏が待っています。ギラギラ太陽とジトジトな湿気、高温多湿な日本の夏の特徴です。
夏の不調は「心」から
中医学では、夏に関係する臓器は、「心(しん)」で、五行で分類すると「火」となります。
「心」の働き
この二つが「心」の働きです。
●血を全身に巡らせる作用
肝に貯蔵された血を全身に循環させ、栄養分を送り出す。
●精神をコントロールする作用
意思・思考・記憶などの人の精神状態を統制する。
そして、火は熱を持ち、上昇する性質を持っています。
夏の特徴
夏は暑さで気血の運行が活発になります。中医学では気から血が作られ、血から汗ができると考えられています。そのため、大量の汗をかくことで、気血が両方とも失われると考えられます。
つまり、失われた気血を意識して補っていかなくてはいけません。
また、「心」は血を循環させる働きがあり、夏には心拍数が早くなったり顔が赤くなったりします。働きすぎて「心」が疲れてしまうと、不眠や精神不安定を招きます。
さらに、「心」は「脾」(消化器官)とつながっているため、「心」が弱ると食欲低下や下痢を引き起こします。この食欲低下や下痢は、冷たいものの食べ過ぎ飲みすぎでも起こります。
この夏の暑さで、汗の出すぎによる身体の潤い不足に気の消耗が加わって、さらに冷たいものを飲食して消化器官の働きが悪くなることで夏バテを引き起こしてしまうのです。
夏の食養生:4つのポイント
①身体の熱を冷ます
多くの夏野菜/果物には身体の熱を冷ます働きがあります。
トマト・キュウリ・ナス・バナナ・メロン・スイカ
他にも緑豆や小麦、はと麦をお米と一緒に炊いたり、スーッとするハッカやミントを添えるのもお勧めです。
②気を補う
芋類や穀類、豆類は気を補う食材です。炭水化物や糖質制限をしている人は、主食や芋類を抜く人が多いため、夏の暑さに抵抗できず夏バテになりやすくなります。しっかり米やパンなど主食を食べるようにしましょう。
③心を養生する
「心」にはニガウリやニラなどの苦みのある食材を食べましょう。
また、養心安神作用を持つココナッツやナツメもお勧めです。
④冷たいものを飲食しすぎない
冷たい物の摂りすぎは、消化器官が弱まる原因となります。喉が渇いたら常温のものを飲んだり、喉が渇く前にこまめに水分補給をするようにしましょう。
夏を元気に過ごすことは、続いて廻って来る秋の健康状態にも関わってきます。夏を楽しく元気に過ごすため、食事の工夫をしてみてくださいね!
担当管理栄養士 : Tomoyo
<参考文献>
・平馬直樹 辰巳洋「基本をしくみがよくわかる東洋医学の教科書」株式会社ナツメ社(2015.6.20)
・陳志清 路京華「中医内科学」たにぐち書店(2004.09.23)
・王憶勤 「全訳 中医診断学」たにぐち書店(2007.12.16)
≪Tomoyo執筆コラム≫