夏に負けない体を作りに欠かせない「夏野菜のパワー」
「野菜を食べましょう!!」と言われたことありませんか?実際に私も、栄養指導のときにはそう伝えています。では、なぜ野菜を食べると体にいいのでしょうか?
野菜は身体にいい?!その理由は??
野菜には、ビタミン・ミネラル・食物繊維など含まれています。抗酸化力のあるビタミン・カリウム・食物繊維などの摂取は、癌や循環器疾患の予防に効果的だと考えられ、食事で摂取する事が、望ましいと言われています。厚生労働省では、成人の野菜摂取量を350g以上、また、カルシウムの摂取量を上げるため、野菜摂取量のうち緑黄色野菜を120g以上と目標設定しています。
野菜の選びのコツは「旬」
スーパーに行けば多くの野菜があるのが日常になっていますが、時期により野菜の栄養価は変わる事をご存じでしょうか?夏は暑く、冬は寒いなど、野菜の種類により、それぞれ合った環境があるのです。旬の時期に育った野菜は、最適な環境で育っている為、栄養価が高く味も優れています。
野菜がもつ生命力=栄養素
五大栄養素の体の中での働きを覚えていますか?
簡単説明すると炭水化物・脂質・たんぱく質がエネルギーとなり、ミネラル・ビタミンが、そのサポートをしています。
今回、食物繊維の働きについてお伝えします。
食物繊維の種類は、2つあります。
① 水溶性食物繊維
・血糖値の上昇を緩やかにする
・コレステロールの吸収を軽減する
・ナトリウムの排泄を促す為、血圧を低下させる など
② 不溶性食物繊維
・腸内環境を綺麗にする
・便の量を増やす
・便秘、腸の病気の予防 など
野菜は、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な食材であり、なかなかほかの食材では補うことが難しいでしょう。そのため、健康元気に過ごすためには、野菜が欠かせないのです。
管理栄養士がおススメ!!夏野菜の紹介
今が旬の夏野菜を何種類かお伝えします。
野菜の種類により異なりますが、旬の時期が6~8月の野菜を夏野菜と言います。夏野菜には、水分も多く体を冷やす作用の野菜が多いため、暑い夏にとても最適な食材です。
赤色の夏野菜【トマト】
赤色の正体は、リコピンです。抗酸化作用が豊富なため活性化酸素を弱める働きがあります。老化や生活習慣病の予防に効果があります。
?その他豊富な栄養素 ビタミンA・B2・C・カリウムなど
緑色の夏野菜【きゅうり】
きゅうりは、およそ95%水分でできています。カリウムという成分が多く含まれているので、むくみ解消や利尿作用の効果が期待されます。きゅうりの成分にアスコルビナーゼという酵素があり、ビタミンCを破壊する働きがあります。酸や発酵により破壊する働きを弱める作用があるので、酢の物やぬか漬けがおすすめです。
? その他豊富な栄養素 ビタミンCなど
紫色の夏野菜【なす】
茄子の特徴でもある紫色の色素は、アントシアニンです。アントシアニンもリコピンと同様活性酵素を弱める働きがあり、血液の通りをよくする為、動脈硬化等の予防が期待されます。白ナスや青なすなど、紫色ではない茄子もあります。
?その他豊富な栄養素 ビタミンB1・C・カリウムなど
黄緑色の野菜【枝豆】
大豆の熟す前が、枝豆です。完熟すると大豆になります。大豆は、畑の肉と呼ぶほどたんぱく質が豊富ですが、枝豆も同様です。夏と言えば、ビールという方が多いと思います。枝豆に豊富なたんぱく質やビタミン類が、アルコールの分解をする為、肝臓の負担を軽くします。そのため枝豆とビールの相性は、理に適っているといえます。
?その他豊富な栄養素 糖質・脂質・ビタミンB1・B2・C・カルシウムなど
黄色の夏野菜【トウモロコシ】
トウモロコシは、糖質、たんぱく質が多い野菜です。腸内環境を綺麗にする食物繊維の成分が多く、ビタミンやミネラルも豊富なため、総合的に見て栄養価が高いといわれています。
?その他豊富な栄養素 ビタミンE・B1・B2・カリウム・亜鉛・鉄など
いろんな色の夏野菜【パプリカ】
ピーマンに比べると苦味はなく、肉厚です。パプリカの色は、黄色、赤色、オレンジ色、紫色など、たくさんあります。ピーマンよりも抗酸化作用があり、とくにカロテンがおよそ7倍、ビタミンCも2倍と豊富です。
? その他の栄養素 ビタミンA・E・カリウムなど
夏は暑さが原因で、ビタミンが消耗しがちです。夏野菜を食べる事で、ビタミン、ミネラルを補給し暑さに負けない体づくりをしましょう。
担当管理栄養士 : 岩崎安希
<参考文献>
・板木利隆「からだにおいしい 野菜の便利帳」高橋書店(2008)
・健康日本21(栄養・食生活)厚生労働省
http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b1.html(2016.7.16閲覧)