中医学からみる“タイプ別女性力アップ”~気滞~
前回は“身体の中から女性力アップ”というコラムで来持つ女性の機能を「女性力」として、女性力をアップさせるためのポイントを4つ紹介しました。女性力をアップさせると、多くの女性が悩む“生理痛”も改善することができます。
今回から、タイプ別の生理時期の特徴と改善方法を中医学の観点から紹介していきます。
気が滞る「気滞」タイプ
精神的ストレスや怒り、不規則な生活などが原因で気の巡りが悪くなることを「気滞」といいます。
PMS(月経前症候群)や生理前に情緒不安定になることが多く、ストレス発散がうまくいかない人や、頑張りすぎてしまう人がなりやすいタイプです。気の巡りには「肝」がコントロールしており、肝の機能が低下して気が滞ってしまうため、「肝鬱気滞」ともいえます。
主な特徴
□ 情緒不安定
□ ため息
□ なかなか寝付けない
□ 便秘や下痢を繰り返す
□ 喉につかえを感じる
□ 脇や乳房・下腹部の脹痛
□ 首や肩のこり
□ 食欲のムラ
生理の特徴
□ 生理中の情緒不安定(怒りっぽい・抑うつ)
□ 普段の下痢/便秘が悪化する
□ 肌荒れ、ニキビになりやすい
□ 生理が始まると楽になる
□ 生理周期の乱れ
□ 生理前に乳房の脹痛
「気滞」の三大症状は「脹・痛・悶」と言われています。
思い当たることばかりではないでしょうか?不規則な生活やストレスの多い日本人の女性がなりやすいのが、この「気滞」タイプです。
「気滞」タイプの食養生
食養生のポイントは「香り」と「酸味」のある食材を取り入れることです。
五臓の「肝」の性味は「酸味」で、酸味には肝の機能を高める作用があります。これから出回る柑橘類の果物やペパーミントなどのハーブ、ネギやシソなどの香味野菜を積極的にとるようにしましょう。梅干しや酢も食事中のアクセントによいでしょう。
「気滞」タイプの生活改善
気滞タイプの人はストレス発散がうまくできずにため込んでしまう人が多いです。ストレスは気の巡りを悪くしてしまうので、リラックスできる時間を少しでも作れるようにしましょう。休み時間に深呼吸をしてみたり、入浴後に軽くストレッチをしてみたり、ウォーキングをしてみたりと、気持ちをのびやかにする憩いの時間を作れるようにしましょう。
担当管理栄養士:Tomoyo
参考文献
・井野澄恵、熊谷みのり「漢方・中医学がわかる本」宝島社(2016)
・田村正隆「基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書」株式会社ナツメ社(2014)
・鳥海明子、邱紅梅「女性力を高める薬膳ご飯」株式会社マイナビ(2013)
≪Tomoyo執筆コラム≫