日本の伝統的な食文化「和食」を広めよう
新年を迎え、おせち等食べられましたか?1月11日本日は、鏡開きですね。日本では、様々な年中行事と食が密接しています。
今回は、日本を代表する「和食」に関してお伝えします。
日本人の伝統的な食文化:和食とは?
和食文化とは、単なる料理の一つとして語れるものではありません。日本が古来より受け継いできた「自然の尊重」の精神に基づき、日本人の生活の方向を形作る大切な文化です。和食が料理だけではなく、「自然を尊ぶ」という日本人の考え方が文化として世界に認められ、2013年に「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
和食文化の特徴とは?
①多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は、南北に長く、海、山、里と自然が広がっています。各地域で多様な食材を使用し、素材の味わいを活かした調理技術や調理道具が発達しています。
②健康的な食生活を支える栄養バランス
一汁三菜を基本とすると栄養バランスが整います。だしや発酵食品を利用する事により、動物性油脂の摂取を減らす事ができ、長寿や肥満防止に繋がります。
③自然の美しさや季節の移ろいの表現
季節に合った器を使用し、花や葉を飾り四季を表現する事も和食文化の特徴です。
④正月などの年中行事との密接なかかわり
日本の食文化は、年中行事と深く関わり育まれています。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共有する事で人との絆を深めてきました。
和食文化が薄れている?
米の消費量は減少傾向で生活習慣病や肥満者は増加傾向にあります。又、正月におせちを食べない方も増え、箸をきちんと持てない子どもや、「いただきます、ごちそうさま」と食事の挨拶を言わない人が増え、和食文化の存在感は薄れつつあるのが現状です。
和食文化を繋げるために出来る事とは?
素晴らしい和食文化を受け継ぎ、守るために、まず「和食」を知る事から初めて頂ければと思います。ここでは日常で出来る事や日本の代表文化についてお伝えします。
食事の挨拶をしましょう!
まずは、「いただきます」「ごちそうさま」という挨拶は、料理を作ってくれた方や生産者、自然を守ってきた祖先や神々への感謝が込められています。
年中行事を行ないましょう!
お正月は、「年神さま」を各家庭で迎える年に一度大切な行事です。門松は、神を招く目印であり、一年の幸せを願い、家族が集まって食事を共にし、おせちを食べる風習があります。おせちには、地域ごとにより様々です。鏡餅など丸い餅は、神の魂の象徴「歯固め餅」とも呼ばれ、1月11日に鏡餅を食べて歯が丈夫な長寿を願う意味があります。
食を囲み毎日を無事に過ごすことを願う行事に五節句があります。
1月7日(人日) 七草粥 健康を願う
3月3日(上巳) 草餅 邪気を払う
5月5日(端午) ちまきや柏餅 健康を願う
7月7日(七夕) 索餅 無病を願う
9月9日(重陽) 菊酒 不老不死を願う
赤飯は、邪気や厄を払うとし信じられ祝儀だけではなく、お盆や仏事にも食べられています。健康で長生きしたいという強い思考が「和食」にはあります。素晴らしい和食の文化を家族や大切な方にお伝えくださいね。
担当管理栄養士:岩崎安希
参考文献
・平成27年度「和食」の保護・継承推進検討会報告書(和食文化を守る。つなぐ。ひろめる。)農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/pdf/h27_washoku_panfu.pdf (2016.12.31閲覧)
・平成26年度「和食」の保護・継承に関する検討会報告書(「和食」を未来へ。)、農林水産省、
http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/pdf/houkoku_1.pdf (2016.12.31閲覧)
・平成25年度和食ガイドブック、農林水産省、
http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/pdf/guide_all.pdf (2016.12.31閲覧)
<岩崎安希執筆コラム>