トクホ?サプリ?違いがわかる表示の見方~健康食品~
最近の調査では、健康食品を約3割の人が毎日利用し、過去の利用経験を含めると約8割が利用したことがあるといったデータがあります。健康食品と言われるものでも、利用の仕方をひとつ間違えると、身体に悪影響を及ぼす場合があります。今回は正しい情報を得るために、健康食品の表示についてお伝えします。
パッケージの表示から健康食品の種類がわかる
健康食品は国の制度により、科学的根拠があり「保健効果や健康効果などの表示ができるもの」と「そうでないもの」に分けられます。「保健効果や健康効果などの表示ができるもの」は以下の3種類の食品が該当します。
特定保健用食品(トクホ)
健康に役立つ身体の生理機能などに影響する成分を含む食品です。「お腹の調子を整える」「糖の吸収を緩やかにします」などの表示の許可があります。食品ごとに効果や安全性は国が審査を行い許可のある食品には決められたマークが表示されます。また、特定保健用食品のレベルには届きませんが、一定の有効性が確認される食品については、「条件付き特定保健用食品」として許可されています。
栄養機能食品
通常の食事をとることが難しく、1日に必要なビタミン、ミネラル等の栄養成分がとれない場合、それらを補うために利用できる食品です。すでに科学的根拠が確認されている成分が一定の基準量を含む食品ならば、決められた定型文により、その栄養機能を表示できます。例えば「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です」というものです。パッケージに「栄養機能食品(○○)」と表示され、国への届出は不要です。
機能性表示食品
販売前に科学的根拠に基づいた安全性や機能性に関する情報などが国に届出されています。届出された情報は消費者庁のウェブサイトで公開しています。ただし、特定保健用食品とは異なり、個別の審査を受けたものではありません。食品のパッケージには「○○の機能があります」「○○の機能があると報告されています」というような表示がされます。
しかし、これら3つの食品以外にも、いわゆる健康食品としてサプリメントを含め、多くのものが流通されているのが現状です。
健康食品を手にする前に振り返ってみましょう
これは食品全般に言えますが、身体に良いとされる食品だけを食べたからといって、病気にならない、体重が落ちる、という作用はありません。健康食品はあくまでも生活習慣を良い方向に変える、「きっかけ」として考えるのが望ましいとされています。
「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」には、“食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを”の一文が、必ずパッケージに記載されています。まずは「本当に普段の食事から補うことができないのか」という点を振り返りましょう。インターネットで検索すれば食に関する情報は何万件とヒットするご時世、自分にとって必要な情報なのか、実際の食事にはどのように活かせばよいのか、答えに迷うこともあるでしょう。
そのような時こそ、ぜひ管理栄養士にご相談ください。
あなたに合った美味しく食べて健康美につながる方法をお伝えします。
担当管理栄養士:佐々木裕子
参考文献
・健康食品の正しい利用法,厚生労働省,国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所,
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000113706.pdf(閲覧2017.2.12)
・健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて,
厚生労働省,日本医師会,国立研究開発法人,医薬基盤・健康・栄養研究所,
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000113707.pdf(閲覧2017.2.12)
・早わかり食品表示ガイド<事業者向け>~食品表示基準に基づく表示~,消費者庁,
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/jas_1606_all.pdf(閲覧2017.2.11)