中医学からみる“タイプ別女性力アップ”~血?~
‘’身体の中から女性力アップ’’をテーマに、タイプ別の女性力アップ方法を紹介しています。前回からの「気滞」「血虚」タイプに続き、今回は「血?」タイプを紹介します。
血が滞る「血?」タイプ
もともと気の流れが良くない人がなりやすく、原因としてはデスクワークやストレス、過労などがあります。「気滞」タイプと似ていますが、生理中に経血がドロッとしていて塊があることが大きな特徴といえます。血液の循環が悪いため、チクチクするような刺痛や顔のくすみや目のクマができやすくなります。そのままにしておくと、子宮内膜症や子宮筋腫になりやすくなるため、早目の対処がオススメです。
主な特徴
□ 肌にくすみやシミが出やすい
□ ケガの跡が消えにくい
□ アザができやすい
□ 慢性的な肩こりや頭痛がある
□ 末端冷え性
□ 舌がくすんだ紫色で、紫色の斑点ができる
□ 舌の裏側の静脈が紫色に浮き出る
生理の特徴
□ 経血が赤黒く、レバー状の塊がある
□ 月経の前にお腹の刺痛・張り
□ 乳房や胸脇の脹痛
□ 生理日数は長く、だらだらと続く
「血?」タイプの食養生
食養生のポイントは、身体を温める食材、?血を取り除く食材、血の流れをよくする「活血」の食材を取り入れることです。
冷えは血管を収縮させて血液の流れが悪くなってしまいます。野菜を食事に取り入れたいときは、サラダより温野菜など身体を冷やさない温かいものを選びましょう。お肉であれば、補血・活血効果のある牛肉がオススメです。また、生姜やニンニク、こしょうなどのスパイスや、ニラやネギなどの香味野菜は血の巡りをよくし、身体の中から温めてくれる効果があります。
?血を取り除く食材は、黒砂糖、パセリ、グレープフルーツ、お酢などがあります。いつも上白糖を使用している場合、黒砂糖に変えてみましょう。黒砂糖には「化?・活血・散寒」の効果があり、女性にぜひ摂って欲しい食材の一つです。
血?」タイプの生活改善
血の流れをよくするために、日ごろの運動を心がけましょう。運動というと時間をとってやらないといけないと思いがちですが、駅で階段を使うこと、少し遠回りして通勤することなど、日常生活の中でプラスできることをしましょう。また、デスクワークで長時間座りっぱなしの場合は、1~2時間ごとに肩を回す、少し歩くなどをして、同じ体勢でずっと固まらないようにしましょう。また、冷えもよくないので上から羽織れる上着を常に用意しておきましょう。
生理痛におすすめ薬膳茶
「薬膳茶」というと難しそうに思えますが、すぐ手に入る食材で簡単に作ることができます。今回は紅茶を使った薬膳茶を紹介します。
【紅茶の効用】
食材名 | 性味 | 帰経 | 効能 |
---|---|---|---|
紅茶 | 苦甘/温 | 心肺 | 養心・安神・止渇・利水 |
紅茶は身体の冷えが気になるときや憂鬱な時などにおススメです。
穏やかな性質のため、紅茶をベースに様々な食材を入れて「薬膳茶」を楽しむことができます。
【手軽に手に入る食材と効用】
食材名 | 性味 | 帰経 | 効能 |
---|---|---|---|
黒糖 | 甘/温 | 脾胃肝 |
補中・活血・化?・和胃
降逆・温中・散寒
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生姜 | 辛/温 | 脾胃肺 |
散寒・健脾・温中・止咳
解表・化痰・止嘔・解毒
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サフラン | 甘/平 | 肝心 |
活血・化?・清熱・解毒
調経・解鬱
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シナモン | 辛甘/温 | 肺心脾肝膀胱 | 散寒解表・温経通陽 |
ナツメ | 甘/温 | 脾胃 | 補中益気・養心安神 |
陳皮 | 辛苦/温 | 脾肺 | 理気・調中・燥湿・化痰 |
紅花 | 辛/温 | 心肝 | 活血??・通経 |
上記に紹介した食材は、手軽に取り入れることができます。
身体を温める、?血を取り除く、血の巡りをよくするなどの生理痛に効く効能をもちます。
紅茶にちょっとしたアクセントをつけて、生理痛を緩和しましょう。
生理痛は女性なら誰でも経験しているのではないでしょうか?生理痛は食生活・生活習慣を深くかかわっており、いつもと同じ生活をしていればいつまでも同じことが続いていくでしょう。
“身体の中から女性力アップ”をテーマに「気滞」「血虚」「血?」のタイプを紹介してきました。自分に合ったタイプはあったでしょうか。少し意識をして改善していきましょう。
担当管理栄養士:Tomoyo
参考文献
・井野澄恵、熊谷みのり「漢方・中医学がわかる本」宝島社(2016)
・田村正隆「基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書」株式会社ナツメ社(2014)
・鳥海明子、邱紅梅「女性力を高める薬膳ご飯」株式会社マイナビ(2013)
≪Tomoyo執筆コラム≫