高校生のアスリートの保護者・指導者必見 食事の基本
高校生の年代になると、身体もほぼできあがってきており、勝利を目指して競技に取り組むようになっていきます。しかし、高校生の身体は完成されているわけではないため、過度の運動は故障の原因となりえる可能性があります。今後の競技人生を豊かに過ごしていくために、自分で自分の身体に目を向けていきましょう。
本日は、高校生に必要な食事のポイントをお伝えいたします。
自己管理をし、競技力アップ
男女問わず、食べることでストレスを発散しがちになるのが高校生の時期になります。今後の競技人生のために、どのように自己管理をしていくか考えてみましょう。
無理なダイエット、減量等に注意
無理な減量、ダイエットをするために、食事の量や回数を減らしてしまうと、当然ながら、故障の原因、慢性疲労、筋肉がつかない、体重の増減などといったことが体組成への影響も起こる可能性があります。
自己管理できるようになるためにも、自分自身の身体に意識を向けて、どんな食べ物をほしがっているか気にしてみましょう。
正しい知識を身に付けること
高校は自宅から遠方になる学生も多いではないでしょうか。そういった場合、部活動から帰宅までの通学時間を考えると補食もポイントとなります。この時期にありがちな傾向として、部活動終了後から時間が空いてしまうこと、食事を我慢し、お菓子などをつまんでしまうことが考えられます。
お菓子には糖類が含まれているためエネルギー源となりますが、砂糖はすぐに吸収されてしまうため、エネルギーとして使いきれず余分な脂肪になることが考えられます。
食事について相談できる大人を見つけることや、本などを活用し勉強して、正しい知識を身に付けることが大切になるでしょう。
女性アスリートならではの問題
成長期にあたる中学生から高校生の女性アスリートは、高校生くらいの年齢になると、幼いころより体脂肪が増え、丸みのある女性らしい身体に変化していき時期です。
身体の変化を受け入れる
身長も伸びるので、当然体重が増加することもありますが、けして太ったわけでなく体重を減らす必要があるのか考えてみましょう。この時期に必要な栄養素をしっかりととらないと、選手として思い切り力を発揮したい時期にベストを尽くせない可能性もあります。
たとえば、高校時代に厳しいトレーニングと食事制限をおこなった結果、無月経になり、そのまま放置していると、20歳前後で身体が耐え切れなくなり、疲労骨折などする可能性があります。その変化に、周囲の大人が気づけるような環境ができていると良いですね。
将来、プロになるか、趣味程度で現在のスポーツを続けていくか将来を見定めていく必要が出てくる時期でもあると思われます。運動のスキルだけでなく、将来を見据えた身体づくりをするためにも、栄養や食に関する知識も身に付けていきたいですね。
担当管理栄養士:Eriko
参考文献
・鈴木志保子「スポーツ栄養学」株式会社ベースボール・マガジン社(2016)
・柳沢香絵「アスリートのためのスポーツ栄養学 栄養の基本と食事計画」株式会社学研パブリッシング(2015)