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春は要注意?味覚を守るための食生活で気をつけるコツ

私たちは生きている限り欠かせない「食べる」という行動。「食べる」と同時に、「甘い」「しょっぱい」など様々な感情が起きますね。食品を食べ、それを舌で区別することと、食品の味に対して受ける感情が味覚です。
 
 

味覚を感じる仕組みとは?

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まず食べ物が口に入ると、舌の表面にある味覚細胞で味を感知します。感知された味の情報は、味覚神経を介して脳に伝わり、最終的に脳内の視床下部で味覚を認識します。味覚はいわゆる5つの基本味である甘味、塩味、苦味、酸味、うま味があてはまります。また、おいしさを感じさせる要素は味覚以外にも、におい、歯ごたえ、舌触り、温度、見た目、その時の自分の気持ちなども関係しています。
 
味覚は感じるだけでなく、食欲を刺激する、危険なものを回避する、唾液を分泌させる、消化を促進する、からだに必要な成分を含んだ食品を選択する手助けする働きがあります。
 
しかし、「味がしない」「何を食べても味を薄く感じる」、このような時は要注意です。
味を感じる舌の機能の低下により味覚障害を引き起こしている可能性があります。
味覚障害の原因としては服用している薬、食生活での亜鉛不足、ストレス、歯周病や口の中の乾燥、全身の病気などです。今回は食生活から味覚障害を防ぐポイントをお伝えします。
 
 

亜鉛不足を防いでおいしく味わうために食生活のポイント

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亜鉛はミネラルの1種です。味覚を保つ以外にも、たんぱく質の合成、ホルモンの合成・分泌、免疫機能などを保つ働きがあります。あまり聞きなれない栄養素ですが、からだの調子を整えるうえでも重要な役割を果たしています。
 
亜鉛の吸収をさまたげる食品を控える
市販のお総菜、スナック菓子、インスタント食品といった加工食品には、体内に亜鉛の吸収を妨げる食品添加物が多く使われている場合があります。またアルコールを分解される際にも亜鉛が使われます。お酒の飲みすぎも亜鉛不足を招くことになりかねません。
 
 
偏らずにいろいろな食材を取り入れる
亜鉛を多く含む食品は主に魚介、肉、大豆製品です。具体的な食材では、牡蠣、ホタテ、うなぎ、牛肉、鶏肉、豚レバー、卵黄、チーズなどに含まれています。これらを意識してメインのおかずに取り入れるとよいでしょう。吸収を高める食べ方としては、果物や野菜に含まれるビタミンC、レモンやオレンジなどの柑橘類、梅干し、酢に含まれるクエン酸と一緒にとることをお勧めします。
 料理例)鶏肉と水菜の梅肉和え、牛肉とパプリカの炒め物
 
 
春は環境の変化や忙しさなどにより、おのずと食生活が乱れやすい時期。これはストレスや亜鉛不足により、食べても「味がしない」などの味覚に異変を起こしやすい時期でもあると考えられます。忙しいと市販の食品に頼らざるおえない時もあるでしょう。ただ、頼りすぎは禁物です。
 
時間がある時は、いろいろな食材を取り入れることを意識するとともに、食事の時間を楽しみましょう。
 
担当管理栄養士:佐々木裕子
 
 
参考文献
・中村弘「トコトンやさしい味の本」B&Tブックス日刊工業新聞社(2007)
・伏木亨「味覚と嗜好のサイエンス」丸善株式会社(2008)
・山野善正「ポケット図解おいしさ科学がよくわかる本」秀和システム(2009)
 
 
 
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