おいしい料理の法則とは?五感で感じるおいしさの科学
突然ですがみなさん、最近おいしい料理を食べましたか?食べたという方はその料理を美味しいと感じた理由は何ですか?
恐らくほとんどの方が「料理の味がおいしかったから」と答えるのではないでしょうか。それでは私たち人間はどうやって料理のおいしさを感じているのでしょうか ?
おいしさは五感で感じている
私たち人間には視覚・味覚・触覚・聴覚・嗅覚という感覚機能があり、この感覚機能の総称を五感と言います。実は私たちは食事をする際、この五感を活用して料理を味わっています。
食事においての五感とは、料理の艶や色、形といった目で感じる視覚、甘い・酸っぱい・しょっぱい・苦い・旨いといった舌で感じる味覚、料理の固さや柔らかさ・ふわふわ・パリパリ・ネバネバなど歯や舌で感じる触覚、鍋のグツグツした音や肉を焼く音、揚げ物を揚げている音など耳で感じる聴覚、パンの焼けた香ばしい香りや柑橘類の酸っぱい香り・カレー粉のスパイシーな香りなど鼻で感じる嗅覚を言います。
味を感じる味覚だけがおいしさを感じているのではなく、このように私たちは毎回食事をするたびに五感をフル活用して料理を味わっています。この五感を意識しながら料理や食事をすることで、いつもの食事がより一層おいしく感じることができます。
おいしさを感じる五感の割合とは
それでは冒頭の質問に戻りますが、あなたが料理をおいしいと感じた理由は本当に味だけでしょうか?先ほど料理のおいしさは味覚のみでなく五感で感じていると言いましたが、実は五感の感じる割合は大体決まっています。
五感が感じる割合は、視覚83?87%、聴覚7?11%、触覚1.5?3%、嗅覚2?3.5%、味覚1%と、実は味覚から感じる割合は五感の中で一番低いのです。そして一番感じているのは意外にも目で見る情報である視覚なのです。
例えばみなさんは料理を食べる前から「おいしそう」と感じることはありませんか?まだ味を感じていないにも関わらず「おいしそう」と感じるのは、視覚から受け取る情報が判断しているからです。このように視覚から受ける情報が料理のおいしさを大きく左右しています。
料理をおいしくするためのポイントは視覚を意識
おいしい料理を作るために味にこだわることも大切ですが、実は視覚から受け取る情報量が多いため、見た目にこだわることも料理をおいしくするために重要なポイントなんです。
おいしそうに見せるポイントは、食材の切り方を工夫する、多様な色の食材を使用する、料理の盛り付けを工夫する、食器やカトラリーにこだわるなど、ちょっとした一工夫でおいしく見せることが出来ます。
私たちはおいしい料理を食べることで心が豊かになります。しかし疲れていると料理をしたくない、お弁当やお惣菜で済ませたい日もあると思います。
そのような時は、買ってきたお弁当やお惣菜をお皿に盛り付けて食べるだけでおいしそうと感じ、心が豊かになるのではないでしょうか。
おいしい料理の法則とは、料理のおいしさは五感で感じている。そして五感の中でも視覚が大きな割合を占める。この法則を意識して、日々のおいしい料理を楽しみ、心を豊かにしていきましょう。
担当管理栄養士:河村桃子
参考文献
・加藤直美「コンビニ食と脳科学—「おいしいと」感じる秘密」祥伝社(2009)