第72回(2018年) 日本栄養・食糧学会発表と食事サポートについて
2016年度より筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトの食事サポートを担当させていただいております。当プロジェクトは、一般社団法人 日本パーソナル管理栄養士協会代表理事・食の相談窓口 San-CuBic代表の三城が修了しました筑波大学運動栄養学研究室にもご協力をいただき、現場と研究の両面から選手のサポートを行っております。
JPDAのサポート指針
「自己管理力を身につけ、自立する」
これが日本パーソナル管理栄養士協会のサポート指針。これはチームサポートでもパーソナルサポートでも同様です。
とくに大学は教育の場。筑波大学男子長距離チームは文武両道を大切にしております。食べる事は一生続きます。残念ながら「自分が食べているものを知らない」という大人が多いのも現状です。
そこで、なんでもやってあげるサポートや単に強くなるサポートではなく、食から考える力や生きる力を学ぶアプローチを心がけています。
活躍できる管理栄養士の学びの場の提供
食事サポートは協会メンバー、スポーツ栄養を学ぶ大学院生・研究生で構成しています。今年度からまた新人管理栄養士が加わりました。
スポーツ栄養はボランティアなことが多いですが、それではいつまでたってもスポーツに関わる管理栄養士の地位は高まりません。そのため、当協会ではサポートに関わる管理栄養士・栄養士ひとりひとりが責任を持ち、選手と真剣に向き合ってもらうために「仕事」として関わっていただいています。
トレーニングに比べると食事はすぐに結果につながりにくいため、頭で分かっていても管理栄養士の採用に対して優先順位が下がりがちです。そんな中、食の重要性を弘山監督は就任当初から感じてくださっており、監督と共に箱根駅伝を目指したいと思い、食事サポートをお引き受けさせていただきました。
身体もメンタルもすべての源は「食事」です。かならず食事で身体は変わります。
現場のデータを世に役立てる
先日開催された公益財団法人 日本栄養・食糧学会にて、サポートに携わってくださっている大学院生2名(管理栄養士)が発表を行いました。
男子大学生陸上長距離選手を対象とした 男子大学生陸上長距離選手を対象とした 栄養・食事サポートの効果
~10000M走のタイムと血液生化学検査を用いた検討~
〇渡邉千夏1 内沢彰子1 加藤有美1 永田拓也2 三城円3 弘山勉4 麻見直美4
1:筑波大学院 人間総合科学研究科 2:筑波大学院 システム情報工学
3:一般社団法人日本パーソナル管理栄養士協会 4:筑波大学体育系
男子大学生陸上長距離選手を対象とした 男子大学生陸上長距離選手を対象とした 栄養・食事サポートの効果
~10000M走のタイムと体組成の評価より~
〇内沢彰子1 渡邉千夏1 加藤有美1 永田拓也2 三城円3 弘山勉4 麻見直美4
1:筑波大学院 人間総合科学研究科 2:筑波大学院 システム情報工学
3:一般社団法人日本パーソナル管理栄養士協会 4:筑波大学体育系
当協会としては、食事サポートや指導が客観的指標で示しつつ、選手はもちろん、スポーツ栄養、食事と健康などに微力ながら貢献できるよう活動を進めてまいります。
最後にお願いが一つございます。
残念ながら、筑波大学男子長距離チームは資金がほとんどございません。
我々の食事サポート費も選手たちが出しています。また食材の仕入れ、毎日の朝食と一部の夕食は、選手自分たちで食事を作っています。
恵まれすぎた環境は、選手をダメにします。しかし、私立の強豪校と戦うためには、もう少し良い環境に整えてあげたい、という想いでもおります。
筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトの支援を下さる皆様、企業様、ぜひお力添えいただけると大変助かります。
今後とも応援のほどよろしくお願い申し上げます。
当協会は、食事サポートや指導が客観的指標で示しつつ、選手はもちろん、スポーツ栄養、食事と健康などに微力ながら貢献できるよう活動を進めてまいります。