フィットネスクラブ管理栄養士が教える!プロテインの基本と筋肉アップのポイント/最新情報

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フィットネスクラブ管理栄養士が教える!プロテインの基本と筋肉アップのポイント

たんぱく質を英語で「プロテイン」といい、ギリシア語「プロティオス(第一のもの)」が語源といわれています。古代ギリシア文明の時代からたんぱく質は私たちにとって最重要の栄養素と認識されていたのですね。
 
「そもそもたんぱく質って何?」と今さら聞けないと思っている方のために、たんぱく質はどのような栄養素なのか、また筋肉づくりとの関係を解説致します。
 

たんぱく質の働き

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私たちの体は、つねに新陳代謝をしているため、体内の古くなったたんぱく質は新しいたんぱく質に置きかえられています。爪や髪が伸びるように、新しくつくられているのが目に見えるものだけでなく、筋肉や臓器、骨なども、古くなった部分は分解されて体外へ排泄され、食事から摂取した新しいたんぱく質を利用して再生しています。
 

食物のたんぱく質がヒトのたんぱく質になるまで

肉や魚、卵、大豆などに含まれるたんぱく質は、そのままでは吸収されないため、アミノ酸に分解され、小腸から吸収され、血液の流れにのって全身の細胞へと運ばれています。そして次のたんぱく質の材料となるのです。
 
全身をつくり上げているたんぱく質は、20種類のアミノ酸の様々な配列によって構成されています。その配列の組み合わせによって、10万種類ものたんぱく質ができるのです。20種類のアミノ酸のうち、体内ではつくることができず、外から摂取しなくてはならないものが9種類あり「必須アミノ酸」と呼ばれています。
 
体重70㎏の人の場合、一日に全身で400gほどのたんぱく質がアミノ酸に分解され、その4分の3程度のアミノ酸がたんぱく質を作る材料として再利用され、残りは老廃物として体外に排出されています。私たちはこれを補うために、たんぱく質を摂取する必要があるのです。
 
多くの皆さんは、骨=カルシウムというイメージをお持ちですが、骨の土台(基質)もコラーゲンというたんぱく質でできています。この土台(基質)には隙間があり、その隙間をリン酸カルシウムが埋めていき、かたい骨ができ上がるのです。骨も少しずつ壊されて、新しい骨へと生まれ変わっているため、材料のたんぱく質とカルシウムを外から摂取していかなければならないのです。
 

たんぱく質でできている酵素とは

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私たちの体はつきつめると、炭素原子や酸素原子などがつながった分子でできています。体内ではこの分子と分子をつないで大きな分子をつくったり、逆に切断したりという「化学反応」がひっきりなしにおきているのです。酵素は、この「化学反応を効率よく正確におこすことができるたんぱく質」なのです。
 
酵素には、食べ物の消化に関わる消化酵素や、人体に有害なものを破壊する酵素、アルコールを分解する酵素など多くの働きをもつ酵素があります。私たちが生きているのは、高速で化学反応をおこす無数の酵素のおかげなのです。
 
「酵素」は良く知られている言葉ですが、誤解もあるようです。
体内ではたらくさまざまな酵素は、体内のアミノ酸から必要に応じて合成されます。特定の酵素の配合をうたう健康食品を摂ったからといって、体内で酵素が増えて働くわけではないのです。食品を選ぶ際は、特定の酵素が含まれているかどうかではなく、さまざまな食品を摂取して「必須アミノ酸のバランスを整える」ことが重要です。
 

筋肉とたんぱく質の関係性

私たちには、激しい運動などにより、筋肉の組織が壊れると、修復しようとする働きがあります。運動後24~48時間ほど休息をとることで、筋肉は自力で修復し、運動以前の体より強くなろうとします。その際、筋肉の材料となるたんぱく質が必要なのです。
 
筋肉を増やすために、運動後、速やかなたんぱく質の摂取が有効と考えられていますが、たんぱく質の消化・吸収には時間がかかるため、アミノ酸が必要なタイミングで不足しないように、食事と食事の間が空きすぎないようにすることや、毎食たんぱく質を摂取することが有効です。また、食事で摂取したたんぱく質が、すべて筋肉にづくりに使われるわけではなく、前述の通り、人体の多くを構成するのに必要なことも忘れてはいけません。
 
 
たんぱく質は人体に必要な最重要成分であることはここまで述べてきた通りですが、たんぱく質の効果を最大限にいかすためには、他の栄養素の助けも必要です。せっかくつくった筋肉をエネルギー不足で分解してしまわないように糖質も必要ですし、酵素の働きをサポートして、分解、合成など、体内の化学反応を円滑にする役割をもつビタミン、ミネラルも大事な栄養素です。
 
この瞬間も、私たちの体は、食べたものを利用して想像を超えるスピードで変化しています。生命維持に必要な酵素の働きを助けるためにも、筋肉アップや健康的な体づくりのためにも、たんぱく質を含めた栄養バランスにこだわっていきましょう。
 
担当管理栄養士:中川洋子
 
参考文献
・髙森圭介・髙嶋秀行「人体の最重要部品 10万種類のたんぱく質」㈱ニュートンプレイス(2016)
・樋口満「コンディショニングのスポーツ栄養学」市村出版(2009)
 
 
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