アクティブに過ごすキーポイントは「朝食」
体調を崩しやすい、肌が荒れる、冷え性、便秘、イライラや気分が落ち着かない、気分が落ち込むことが多い、といった心身の不調を感じることはありませんか?この様な不調を解消し、毎日を元気に楽しく過ごすための1つの鍵が「朝食」にあると言われています。
今回は、心も体もアクティブに過ごすための朝食の食べ方をお伝えします。
体内時計(生体リズム)に合わせた生活を
ヒトの生体リズムには、日周リズム(サーカディアンリズム、概日リズム)、週周リズム、月周リズム、月周リズム、年周リズム(季節的リズム)、90分リズム(超短日リズム)の5つがあり、それぞれの働きで日々の環境の変化に体を適応させています。
このうち最も基本的な生体リズムは約1日のリズム、サーカディアンリズムになります。私たちは1日24時間で社会生活を送っていますが、体内時計は実際には少し長い約25時間で刻まれています。この毎日約1時間の「ずれ」は「朝の光」と「朝食」でリセットされることが分かっています。もし、夜更かしやバラバラの食事時間といった不規則な生活をしている場合は、その「ずれ」が更に大きくなりホルモンの分泌や新陳代謝を不調にさせて、心身の不調に繋がっていくのです。
目覚めたらまず朝の光を浴びて、その後、朝食を摂ることを心がけてみましょう。
朝食の効果
便秘の時にお腹をマッサージすると腸が動き出してお通じに繋がることがあります。これは刺激が加わったことで腸が動きだした、ということになりますが、食事をとることも、同じ様に腸を刺激することになります。
朝食を摂ることで腸が目覚めて動き出し、消化吸収が始まることで血流が良くなって体が温まってきます。冷え性や低血圧といった症状がある人は、朝食を摂ることで体調が変わってくるかもしれません。また、ゆっくり良く噛むことで、満腹中枢が刺激される前にたくさん食べてしまう「早食い」を防ぐことができます。早食いは腸と直結している副交感神経の働きを弱め、その結果腸の動きが悪くなり消化吸収が十分にできず、最終的には余ったエネルギーがそのまま体脂肪となり肥満に繋がる可能性があります。
これは朝食だけに限りませんが、よく噛むことで脳も活性化されることもわかっていますので、朝食をゆっくり良く噛んで食べることで、朝から頭がすっきりとして1日を気持ちよくスタートできるのではないでしょうか。
ストレスフリーの朝食
朝食をとる習慣がない人が「朝食をしっかり摂らないといけない」と思うとかえってストレスになってしまいます。おいしいものを楽しんで食べることが何よりの元気の素ですから、これまで朝食をほとんどとらない生活スタイルの人でしたら、まずはバナナ1本から始めてみたり、前日にコンビニのおにぎりとインスタントのお味噌汁を買っておき、お湯を沸かして飲んでみたり、手軽なものから始めてみましょう。
バナナもコンビニで買えますし、皮をむくだけで食べられます。温かいお茶を一杯飲むのもおすすめです。温かい飲み物は胃腸が温まり副交感神経の働きを良くします。体も目覚めて心もほっと一息つけますね。
朝食を毎日とることで自分の体と心がどう変わるのか?試してみてはいかがでしょうか。
担当管理栄養士:yuko
参考文献
・香川靖雄「時間栄養学 時計遺伝子と食事のリズム」女子栄養大学出版部(2009)
・小林弘幸「自律神経を整える最高の食事術」宝島社(2018)