血のめぐりを良くして目を元気に
前回は、ブルーベリーやビタミンAを摂取することにより目の不調を改善する旨をお伝えいたしました。今回は、目と血のめぐりの関係について述べます。
目が疲れた時は冷やした方がいい?温めた方がいい?
目が疲れた時は、冷やしたタオルをあてると気持ちがいいですよね。頭もスッキリする感じがします。充血だったり腫れぼったい時は、一時的には冷やしたほうが良いのですが、最終的には温めた方がいいのです。
目の疲れの原因は、目の筋力の疲れや緊張からきています。ですので、温めて目の筋肉の緊張をほぐし、血のめぐりを促進するほうが効果的です。血がめぐるようになると、酸素や栄養、ホルモンが体全体に運ばれ、老廃物が回収され、体温維持、免疫力が保たれます。前回の記事で、目の不調にはアントシアニンを含むブルーベリーやビタミンAを含むものを食べると効果的と記載しましたが、そもそも血のめぐりが良くなければ、栄養が運ばれにくくなるので、いかに重要かということがわかります。
ここまで読むと、おわかりですね。血のめぐりが良いと目だけでなく、体全体も良くなります。肩こり、頭痛、といった症状も筋肉が緊張した状態から起こります。血のめぐりを良くすると、様々なことで改善に繋がります。
あなたの体は血がめぐっていますか?
目の疲れ、肩こり、頭痛、冷え、むくみ。このような症状がある場合は、うまく血がめぐっていないかもしれません。男性は動脈、女性は静脈に支障がある場合があります。
動脈の支障とは
動脈とは、心臓から全身に酸素や栄養を運ぶ血管です。男性は、動脈硬化や高脂血症などといった動脈の血管が狭くなり、血のめぐりが悪くなる傾向があります。対策として挙げられることは、まずは禁煙。そして、適正体重であるかどうか。健康診断での血液検査の結果も肥満の方は適正体重になると改善に繋がります。肉を食べる頻度が多い人は、肉は控えめにし、魚や大豆製品を摂取しましょう。また、食物繊維も動脈疾患に影響を与えるので野菜不足にも注意しましょう。
静脈の支障
一方、静脈は全身から出る老廃物や二酸化炭素を戻す血管です。女性は、貧血、むくみ、冷えといった静脈の血のめぐりが悪くなる傾向があります。筋肉不足、特に足の筋肉が関与します。なぜなら、二足歩行を行う人間にとって、引力に逆らって血液を足先から心臓に戻すために重要な役割を果たすのは、歩行などの足の運動による筋肉の力だからです。また、筋肉のもととなる動物性たんぱく質も、しっかり摂りましょう。
血のめぐりが悪くなることで起きる疲れ目。目が疲れているということは体全体に血がめぐりづらくなっているサインかもしれません。そんな時は、血のめぐりを意識して目も体も元気になりましょう。
担当管理栄養士:白井由紀
参考文献
佐藤香「目は若返る」幻冬舎(2016)
堀江昭佳「血流がすべて解決する」サンマーク出版(2016)
Kulkarni MV et al, Association of dietary factors with severity of coronary artery disease.Clin Nutr ESPEN(2016)